朝。
私はいつものようにまだ自分の部屋でベッドの中からテレビを観ている。
すると「パンパンッ✋」と手を叩く音がした。
無視していると、さらに何度か「パンパンッ」と手を叩く音がする。
母だろうな~母が叩いているんだろうな~何事かな~と思いながらもさらに無視を続ける私。
そのうちに「Betty!」と私の名を呼ぶ大きな声がした。
「は~い。」仕方がないから起き上がろうとしたら「Betty!Betty!」と怒ったように何度も呼ぶ。
「は~い。なぁに?」と布団の中にいる母の元へいくと、「テレビのリモコンとって!」ということだった。
テレビのリモコンは母が手を伸ばせば届く所に置いてあったけど、見つけることができなかったようです。
「はい、どうぞ。」と渡すと、「なぜそんな所にリモコンを置くのよ!」と母はまだ怒っています。
私が「自分で置いたんじゃないの。」というと、「あ?そうだった?あはは。」とあっさり母は引き下がります。
こうやっていつもあっさり引き下がってくれるので、喧嘩にならず、助かってます。
この後の母の提案にはカチンときたけど。
母「アンタを呼ぶために呼び鈴を置いたらいいわね。」
エラそうに!←心の声(笑)
私「動けないならともかく、リモコンくらい自分で探すように努力した方がいいんじゃない?」
呼び鈴の提案を私に却下された母は、その後ディケアサービスに行きました。
ディから帰宅する頃には呼び鈴の提案は忘れていることでしょう。
数年前、父が亡くなる直前に入院していた時のことを思い出しました。
父が危ないというので、私は泊まり込んでいました。
同室の高齢の女性が夜中に「〇子!〇子!」と大声で叫んでいたのを思い出しました。
〇子さんは娘さんではなく、お嫁さんだそうです。
自分が入院していることを忘れて、夜中に目が覚めて、何か用事がありお嫁さんを呼びつけていたのでしょう。
すぐ近くにナースステーションがあって、その声は届いていたのですが、看護師さんたちは忙しくみんな知らん顔してました(笑)
毎度のことだったのかな。
お嫁さんを呼びつけて生活していたであろうその高齢女性はその後退院できたかな。
その高齢女性もウチの母もさ、介護している私たちは使用人じゃないんだから、呼ぶ時ももう少し穏やかに呼んでよ。
呼び捨てで叫ばれたら、なんだかやるせないわ。しかも朝早くに。いやいや、実は7時過ぎてたけど(笑)
私が母と同居するようになったのが1年8か月前。
母は90歳から92歳になりました。
90歳までの数年間は、夜は妹が毎晩泊りに来て、昼は毎日ヘルパーさんが来てくださって(ヘルパーさんはお昼ご飯を用意してくれていました。滞在時間は1時間)週に2回ディケアサービスへ行って・・・という生活でした。
洗濯物もたたんでいたし、自分のご飯の食器は自分で洗っていました。
喉が渇いたら自分で冷蔵庫からお茶を出していたし。
私が同居するようになってからは、母がキッチンに足を踏み入れることなど全くなくなってしまったなぁ(笑)
力もなくなって、数か月前から、新品のペットボトルの蓋を開けることはできなくなりました。
トイレの介助も大変になってきたし、母がもっと頑固だったら、同居が嫌になっていたかも。
すぐに私の意見に「あら、そう?」と納得してくれる素直さには感謝しています。
昨日も遊びに来ていた長女と母と3人でお昼ご飯が終わってから、私は長女とジムに行って2時間後に帰宅したら「ちょっと!私のお昼はどうなってるの!?」と怒った母。
私は「何言ってんの~食べたじゃん。ねぇ?」と長女に同意を求めて、長女も「食べたよ(笑)」と言うと、母は「あら、そうだったか。ははは。」と笑う。
呼び鈴を置くのは、おかあさんが寝たきりになった時にしようね。
でも寝たきりになったら私に介護は無理。私の膝も腰も砕ける。
ごめん、その時は施設に入ってね。