昨晩の「おんな城主 直虎」は、あの夏の夜に号泣した小野政次磔刑の第33回に次ぐ秀作の回だったと思います。
徳川家康正室築山殿の処刑、そして長男信康の自刃のお話でした。
私は築山殿が歴史の女性たちの中でも、細川ガラシャ夫人と1,2位を争うくらいに好きです。
悪女と一般的には名を知られている家康正室の瀬名です。
悪女とはどこからの話か。
武田と通じていたとか、織田信長の娘徳姫をいじめたとか、不義をしていたとか、それらは後に徳川が自分の都合のいいように創作したのではないかという説に私は共感します。
私が築山殿を好きになったのは、NHKで1983年1月9日~12月18日に放送された21作目の大河ドラマ『徳川家康』で池上季実子さんが演じられた築山殿があまりに美しく上品で、イメージがすごく良かったからだと思います。
この「直虎」では、徳川家康の本意ではなく織田信長の不条理な命令のもと苦渋の決断での結果ということになっています。一般的にはその解釈での物語が多いですね。
けれども私は、この築山殿事件は信長の命令ではなく徳川家康の本意での決断だという説に一票を投じます。
昨日の市川海老蔵さん演じる織田信長の「好きにせよ・・・」と家康に言った言葉も史実に実際にあるらしいと。
「好きにせよ」と言われて、好きにしてしまった結果が妻子の処刑?
ドラマ「直虎」では。
暗殺される直前に石川数正が築山殿に言うわけです。
「私はお方様ほどお美しい人を知りませぬ。一度お伝えしとうございました。」
あ~、この数正の台詞いいなぁ!!!
その時の築山殿演じる菜々緒さんの表情がいいのですよ!!!こんなに上手な女優さんでしたっけ?
で、この石川数正はその後豊臣秀吉に出奔しちゃうんですよねぇ~。ここんとこ昨年大河「真田丸」で詳しくやってました。昨年のちょっと間の抜けたような石川数正とはえらく違うイメージの今年の男くさい石川数正。
「残された者の無念を苦しみを考えたことはあるのか~、私はあのような思いはしとうない!」と泣きながら絶叫する柴崎コウさん演じる直虎ですが、この場面なんだか数年前の大河ドラマの陳腐な場面みたいで好きじゃありません。
それより、「信康殿を助けるのかと思った~」という南渓和尚に、「下手に関わり、井伊に類が及んではかないませぬ。」と言う直虎が今年の大河っぽくて良かったです。
成長した直虎は、感情では動かず、あくまでも家のことを考えているのですね。
そして、直虎が瀬名に言う「そなたと同じことをやった奴をよう知っておるのじゃ。」という台詞の奥深さが好きです。
先週のあさイチに出演されていた栗原小巻さん。とても上品で、無理に若作りするのではなく、素敵に年齢を重ねてらっしゃる。
39年前の大河ドラマ「黄金の日日」で架空の人物であるヒロインを演じられた栗原小巻さん。
一説によると「黄金の日日」ではヒロインの栗原小巻さんより、竹下景子さんの方がいい場面をたくさんもっていったので、栗原小巻さんがヘソを曲げてそれ以降大河ドラマに出演しなくなったとか???もちろん真相は知りませんけど(笑)
その竹下景子さんも今では朝ドラ「わろてんか」でイケメン好きの可愛いおばあちゃまを演じてらっしゃいます。
武将ではない商人その他の目線からの安土桃山時代。
根津甚八さんの石川五右衛門、川谷拓三さんの善治坊、大好きでした。
そして何より大河ドラマで初めてという海外ロケを取り入れたスケールの大きさが圧巻でした。
ネコ子ちゃんの目線はどこに・・・?
「直虎」を観終わって、その後TBS「陸王」を観て、また涙・・・。
その話はまたいつか。