泊まったホテルから徒歩5分程度の場所にある長町武家屋敷です。
季節がら、薦(こも)掛けがほどこされています。
それがますます風情を感じさせます。
金沢市は、加賀前田藩の城下。
ここ、長町の武家屋敷は、加賀藩時代の上流・中流階級藩士の侍屋敷です。
前田氏の重臣、長氏の屋敷があったことが長町のネーミングの由来だという説があります。
たくさんの屋敷(家)が連なっていますが、実はこの屋敷は個人の所有で、ほとんどの屋敷(家)には普通に住人がいて、普通に生活しているのです。
情緒あふれる土塀の中には、普通の現代の住居があり、普通の金沢市民の方が暮らしているわけです。
なので、私が歩いている時も、高校生らしき住人の方が「ただいま~」と門を開けて入っていきましたし、中からピアノの音が聞こえてきたりしました。
私の亡くなった父の友人は(たぶんこの友人も亡くなってるはずですが)この長町の武家屋敷に住んでいて(先祖が前田藩の藩士だったのでしょう)居間で昼寝をしていたら、観光客がズカズカと家の中に入ってきたそうです。
で、「あれ、人がいる。」と驚かれたそうです。
住人だからといって、自分の都合で勝手にリノベーションもできないそうです。
電動シャッターの車庫があったりしたら、街並みの外観が壊れてしまいますからね。
とても不自由だとこぼしていました。
街をあげて、昔の文化を守ろうとする意識が強い土地です。
その郷土愛が素晴らしいと思います。
一部の建物はお土産屋さんだったり、野村家や高田家のように、観光客に公開している屋敷もあります。
けれど、その藩士の屋敷より、商人である中屋(中屋彦十郎薬局)のお屋敷の方が立派な印象をうけました。
江戸時代も末期になると、商人がかなり裕福だったことが伺えます。
金沢の老舗和菓子店「小出柴舟」の文字が見えます。
金沢に滞在中、たくさんの和菓子をいただきましたし、お土産も和菓子です。
でもちょっと普通にスイーツがほしくなって、最終日はスタバに入っちゃった(笑)