Bettyの備忘録

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振り込め詐欺のニュースを観て、90歳の母の感想

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未だに「振り込め詐欺」の被害がなくならない。

私の周りにも「ウチの実家にも怪しい電話がかかってきたらしいの。」という声が少なくない。

 

ニュースで「振り込め詐欺が・・・」

90歳の母は平然と言ってのけた。

「なぜ、そんなオレオレ詐欺なんかにひっかかるのかしら!」

は?

 

あれは数年前

まだ、母が外も独りで買い物も行っていた元気な頃。

独り暮らしの母を妹がいつものように訪ねてきたら。

「ねぇ、何日か前に長男ちゃんが電話をしてきたんだけど。」と母が言いだした。

妹の長男は、大学生。通学に片道1時間以上かかるが、母の家からすぐそばの自宅から通っている。

「長男が電話した?お母さんに?」と訝し気な妹。

孫たちが母に電話をすることなどまずない。

「泣きながら、電話があったのよ。」

はい~?その出だしからまず「振り込め詐欺」でしょ!

 

お決まりの「振り込め詐欺」ストーリー

母の話しはこうだ。

甥っ子(妹の長男)が泣きながら電話をしてきた。

なんと、社長のお伴で出かけ、手形の入った鞄を持っていたのだが、失くしてしまった。

すぐに弁償しないといけない。

・・・あのぉ、甥っ子が社長のお伴?甥っ子は大学生で、アルバイト先は焼き鳥屋ですが・・・とは、母は思わなかった。

 母の思いはただひとつ「それは大変!」

 

残念ながら・・・というか、幸いなことに

母は、まるっきりのアナログ人間

クレジットカードはもちろん、キャッシュカードも持っていない。

父のお給料日にも年金受給日にも、お金をおろすのは窓口に印鑑と通帳を持ってお願いしているのだ。

その怪し気な電話がかかってきたのは、すでに3時を回っていた。

「もう銀行閉まってるから、明日でいい?現金は18万円ならあるけど。」

母がそう答えると、電話は突然切れた。

 

それは詐欺でしょ

その話を聞いた妹は、「長男が電話してくるわけがない。お母さん騙されるところだったのよ!」と焦った。

「いえ、あれは長男ちゃんの声だった。」と言いはる母。

そこで、母の目の前で甥っ子に電話をして「俺、ばあちゃんに電話してないよ。」と証言してもらい、ようやく納得したかに見えた母。

しかし、「なぜ社長さんはバイトの学生に手形の入った鞄なんか持たせたのかしら。」と不思議がる母。そこかい!

 

あれから数年

母はそんな事件のことはすっかり忘れてしまった。

「私はいつもしっかりしてるから。オレオレ詐欺なんかにひっかからない。」

都合の悪いことは、忘れてしまう。

というか、90歳になった今では、母はひとりで銀行の窓口へ行くこともできない。

自宅に18万円もの大金を置いておくこともしなくなった。

妹や私が必要な時はキャッシュカードでおろせばいいから。

ちなみに、その甥っ子は、社会人になった今でも、焼き鳥屋のバイトの経験を活かして、誕生日や母の日父の日などのイベントに焼き鳥を焼いてくれるそうだ。